中華料理の炒め物や、ラーメンのトッピングで見かけることが多い黒きくらげ。
しかしながらそのものの味はあまり感じられず
コリコリ食感を楽しむだけのもの?と思っておられる方も多いかもしれません。
実はこの黒きくらげ、中国では昔から「不老長寿の妙薬」として大変珍重されてきたものなのです。
ではなぜそのように呼ばれるようになったのでしょうか。
黒きくらげとは
【クロキクラゲ・ミミキノコ・キノミミ】
中国語:黒色雲耳(発音:ヘイスーユンア)
英語:Black cloud ear
春から秋にかけてブナやカエデなどの広葉樹の倒木や切り株に生え
温帯地域に広く分布
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《かんぽう薬膳的な視点からとらえる主な働きや特性と効能》
血液浄化や血液習慣病の予防に
気血を補い、疲れやすい、顔色が悪いなどの症状を改善
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見た目や食感、名前から海藻やクラゲの仲間かと思われがちですが
こちらも白きくらげ同様、キノコの仲間です。
ミミキノコ、キノミミとも呼ばれ、名前のとおり見た目は耳の形に似ています。
中国料理には欠かせない食材の1つで、一般的には乾物として出回っていて長期保存が可能です。
日本で通常“キクラゲ”というと、黒きくらげを意味します。
白きくらげとどう違う?
きくらげには、白と黒があり両方とも身体を潤す作用はありますが
具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
薬膳的な考え | 主な栄養面 | 一般的な食べ方 | 値段(100g) | |
黒きくらげ | 血を補い巡り改善 | 鉄分 カルシウム ビタミンD | 炒め物 スープ | 500円前後 |
白きくらげ | 水を補い肌や肺に潤いを与える | 食物繊維 カリウム ビタミンD | デザート 和え物 | 800円前後 |
値段は産地によってまちまちではありますが、全体的には白きくらげのほうが高級食材として扱われています。
黒きくらげの栄養
黒きくらげは何といっても鉄分が豊富。カルシウム、食物繊維や、骨軟化症、骨粗しょう症を予防するビタミンDも豊富に含まれています。
黒きくらげが血液サラサラに効果的と言われるワケ
加齢や食生活の乱れとともに、人間の血管はだんだんと汚れ
血が流れにくくなり、血管が固くなってしまうことを「動脈硬化」といいます。
そしてその動脈硬化をきたした血管は、血管内の細胞が阻害され血小板が凝集する症状を
「血小板凝集」(けっしょうばんぎょうしゅう)といいます。
黒キクラゲはこの現象を抑える働きが強く、毎日継続して少しずつでも食れば
動脈硬化をはじめ、血管病の発病や脳卒中などの予防に役立ち
結果として血液サラサラ効果を発揮してくれるというワケです。
まとめ
使いたいときに使う分だけさっと水で戻して、野菜炒めやスープにすぐ使える乾燥きくらげ。
ほかのキノコにはない特徴で、味も邪魔にならず
栄養面もバツグン、料理の彩りも増えて見た目もいいですよね。
日々の健康な食生活にぜひ取り入れてみませんか。