風邪が長引いて咳がひどい、喉の奥が赤く腫れたり、痛いしツバを飲みこむのも辛い…
そんな時は、喉の奥にある咽頭や扁桃という部分に、細菌やウイルスが感染することで、
炎症が起こっている可能性が高くなります。
「喉風邪」とも言われる
・咽頭炎
・扁桃炎
の違いや症状はどんなものでしょうか。
またどんな食事をとればいいのでしょう。
普通の風邪と見分けを付けて、適切な対処ができるようにしましょう。
そもそも風邪とは?
『風邪』とひと言でいっても、発熱・咳・鼻水が出るもの出ないものなど、症状はさまざまありますね。
基本的に『風邪』とは、主にウィルスによって
「上気道」(鼻腔や咽頭など)
が炎症の病気にかかった状態のことを言います。

引用:ヤクルト中央研究所
特に、熱や頭痛があり喉の痛みもともなう“のどの風邪“を
・咽頭炎
・扁桃炎
と言います。
咽頭炎(咽頭痛)とは
図のように、
・気管の入口から声帯あたりまでを『喉頭(こうとう)』
と言い、これらを一般的に「のど」と称しています。

引用:㈱龍角散-のど研究室-
咽頭は鼻や口を通して、直接外部と接するところなので、最も感染を起こしやすい場所です。
咽頭に細菌やウィルスによって炎症を起こしたものが「咽頭炎」で、
のどの痛みは「咽頭痛」とも言われます。
咽頭炎の症状
咽頭炎になると、
・のどの突き当たりが赤く、やたらと喉が渇いたり異物感を感じる
・炎症の部分に顆粒状の発疹ができる
といった状態になります。

引用:㈶日本耳鼻咽喉科学会
さらに悪化すると、
・「口蓋扁桃」の内側が腫れたり白い膿がついたりする
・のどが赤く腫れ、飲み込むときに痛みを感じるようになる
・全身のだるさ、発熱がある
などになります。
扁桃炎(扁桃腺炎)とは
のどの奥にある『扁桃(へんとう)』という部分が、
細菌やウイルスなどに感染して炎症を起こしたものが「扁桃炎」です。
扁桃はどこにある?種類は
口を開けると奥の左右にある少し膨らんだ部分を
と言って、これが一般的に「扁桃」と言われています。

引用:㈱龍角散-のど研究室-
「扁桃」は他に、
・『舌扁桃(ぜつへんとう)』…舌の付け根
・『咽頭扁桃(いんとうへんとう)』…口蓋垂(こうがいすい)の後ろ
・『耳管扁桃(じかんへんとう)』…咽頭扁桃の両側
がありますが、これらは構造上外からは見えません。
「扁桃炎」は、ほとんどの場合「口蓋扁桃」が炎症を起こし、
多くは「咽頭炎」に続いて起こる症状です。
扁桃炎の症状

引用:㈶日本耳鼻咽喉科学会
扁桃炎の症状は
・のどの激しい痛みや違和感
・のどの奥の左右両側(口蓋扁桃)が赤く腫れる
・39~40℃の高熱やだるさ
があり、悪化すると
・悪化すると扁桃に白い膿がでる
・首のリンパ腺に腫れや痛みが出る
などの状態になります。
咽頭炎・扁桃炎は何科を受診?
一般的に
「耳鼻咽喉科」「耳鼻科」「内科」
のいずれかをまず受診し、うがい薬や抗菌薬の内服などで治療します。
痛みや熱が下がっても数日間は体の中に細菌は生き残っているので、
すぐに内服薬を止めずに処方された分はしっかり飲み切ることが大切です。
人によっては扁桃にできた膿を手術で取ったり、食事がとれないときは点滴をしたり、入院が必要になることもあります。
咽頭炎・扁桃炎の時の食事
家庭ではまずは温かくして安静にすることが大切です。
のどが乾燥していると、ウイルスなどの外敵が侵入しやすくなり、
ますます炎症をひどくしてしまいます。
- 殺菌効果のあるもの
- 喉に刺激が少ないもの(冷たすぎず・熱すぎず)
- 保湿効果があるもの(乾燥させないもの)
など食事で気と使う必要があります。
具体的には
・のどごしがよい・やわらかく温かいもの
・のどに刺激を与えないもの
・のどの殺菌をするもの
・栄養があり免疫力を上げるもの
・消化に良いもの
などが条件になります。
のどが激しく痛い時に効くもの
扁桃腺炎が重症になると、水を飲むだけでも激しい痛みをともなう場合もありますが、
- スポーツドリンク
- 経口補水液
など適度な塩分・糖分をとりながら脱水症状になることだは避けましょう。
- ゼリー類(栄養補助食品として売られているもの)
- 冷製スープ
- 甘酒
などは、冷たさで痛みも感じにくく飲みこみやすいため栄養補給に役立ちます。
のどを殺菌してうるおいを与えるもの
のどに殺菌効果があり、乾燥を防いでくれる食材やコンビニで購入できるものは
[喉の痛みを即効治す飲み物・食べ物]で詳しくご覧いただけます。消化に良いもの
ウイルスなどが体に侵入すると、免疫力が下がり体力が衰えてしまいます。
「風邪を引いたときは消化に良いものを食べなさい」といわれるのは、
体力と同時に胃腸の消化機能も衰えてしまうため
を極力避ける必要があるからです。
おかゆやうどんの他に、どんなものが「消化に良い食事」なのか、
[消化に時間がかかる食べ物とは?消化に良い調理法も]で詳しくご覧いただけます。免疫力を上げるもの
のどの炎症=ウイルスや菌にカラダが感染している状態です。
これらの病原体を早く体から出すために、また普段から感染しにくい体を作るためには
を上げる必要があります。
食べてはいけないもの
のどに炎症を起こしている時、逆に食べてはいけないものは、
・のどが渇きやすくなるもの
・刺激がつよいもの
・硬いもの
などになります。
- アルコール
- お菓子類
- カフェイン飲料
などは極力避けて、のどを労わりましょう。
まとめ
口や鼻を通して、体への最初の入り口である『のど』。
のどの炎症は
免疫力低下&風邪の引き初め
である可能性が大きいため、違和感を感じたら
症状がひどくなる前に、なるべく早めに手を打っておきましょう。
まわりに菌やウイルスをうつさないためにも、
[風邪予防に手洗い・うがいの励行]の手順を今一度見直してみることも大切です。