「線路が残っているなら、何がおもしろいことができる!」
地域の過疎化などが進んで、鉄道路線が廃止された場所で今、
電車が二度と走ることは無い「線路」を“観光にいかそう”という動きが出てきています。
「廃線を巡る」という新しい楽しみ方。
- 廃線観光の魅力
- どんな風に再利用されているのか
- 全国のスポット
などを集めてみました。
廃線観光の魅力
運行廃止になった鉄道路線の跡を訪ね歩いてノスタルジックを感じる…
そんな「廃線巡り」は今まで、一部の鉄道ファンや 廃墟ファンのひそかな楽しみに過ぎませんでした。
しかし「廃線・ロストライン」になったものを、鉄道資産としてそのままの形を残しつつ再利用することで、地域の活性化につなげよう!という活動のことを
「ロストライン・ツーリズム」
という新しい言葉として認知され始めています。
時代の流れとともに、「昔を懐かしむだけの廃線跡」から「みんなで一緒に楽しめる廃線跡」へと発展するように、各地域の方達が一体となり動き出しています。
全国の廃線スポットは
「廃線跡を楽しむ」といってもその楽しみ方はさまざま。
- 廃線跡を歩いて、周辺の街並みや歴史ある有形文化財などを楽しむ
- トンネルや橋に通じる廃線跡の上を歩きながらハイキングを楽しむ
など、全国には「廃線」スポットと言われる場所は沢山あります。
その中でも今回は
“展望施設・体験型観光施設などがあり鉄道をテーマとした遊園地”
のような感覚で、鉄道ファンだけではなく、デートやご家族、グループで行ける場所を中心に紹介したいと思います。
神岡鉄道跡(岐阜県)
岐阜県飛騨市神岡町の
は、旧神岡鉄道の廃線を利用したレジャー施設です。
2台のマウンテンバイクをがっちり固定させ、後輪タイヤが直接レールの上に接地し、ペダルをこぐことで全長約3kmのレール上を安全に走行できる、
新感覚の乗り物「レールマウンテンバイク」です。

引用:飛騨市公式観光サイト
鉄道廃線跡は道路のような急斜面などもなく、ハンドル操作もいりませんので、ローカル線の人里離れた風景を楽しみながら、自分のペースで漕ぐことができますね!
料金はハイブリッド車(電動アシスト車)で、2人3,000円から。
トンネルや橋を通る際はスリル満点で、年間4万人以上が訪れているそうですよ。
高千穂あまてらす鉄道(宮崎県)
宮崎県の宮崎県西臼杵郡高千穂町(旧高千穂駅駅舎内)の
は、旧高千穂鉄道の線路を利用した遊覧鉄道です。
30人乗りのグランド・スーパーカートで行く絶景30分の旅では、高千穂駅⇔高千穂鉄橋を往復し、最高地点(105m)での直下の眺めも楽しめます。

引用:あまてらす鉄道
そのほか、ディーゼルカー車両運転体験や展示室なども充実しています。
2016年は年間2万5000人を集客したそうですよ。
大館・小坂鉄道レールバイク(秋田県)
秋田県大館市の
鉱山鉄道の廃線跡を利用したレジャー施設です。
自転車改造車両や電動けん引車を使ったトロッコ車両は、往復約2.7キロメートル、所要時間は30~40分。

引用:大館・小坂鉄道レールバイク
小坂鉄道の廃線跡は、もう1つ、車で20分ほど離れた別の場所で小坂町が運営する「小坂鉄道レールパーク」。
こちらは実際に使われていた車両が展示されており、ディーゼル機関車の運転体験もできます。
明延鉱山(兵庫県)
兵庫県養父市の
兵庫県の北部、養父市大屋町明延には、かつて日本一のスズ鉱山「明延鉱山」があり、平安時代から採掘が開始されたとされています。
坑道内は年中12~13度で夏でもひんやり、現在は坑道の一部を案内ガイドの説明を聞きながら見学もでき、日本遺産に認定されています。

引用:やぶ市観光協会
▼現在の一円電車「くろがね号」

引用:ジョルダンニュース
この鉱山に当時1円で乗れる電車が走っていたのは、その名も
「一円電車・くろがね号」
入坑する人の数を確認するため、当時は一人一円を集金して労働者を運んでいましたが、1987年の閉山で廃線となりました。
それが今、住民の方達の後押しを受けて「観光電車」として復活しています。
臨時運行日の日程は『やぶ市観光協会ホームページ』で確認できます。
まとめ
車両や駅舎を保存して、記念館のような施設を整備しているところもあり、廃線跡観光スポットとしては他に
- 丸瀬布いこいの森(北海道遠軽町)
- 赤沢自然休養林(長野県上松町)
なども人気です。
どの場所も、地域復興と活性化・多くの若い人たちにとって住みたい街になるようPRするという共通の願いが込められています。
皆で協力し知恵を出し合って「ロストラインツーリズム」や「廃線観光」が、ますます定着して盛り上がるいいですね!
皆さんもお出かけスポットの一つとして、楽しみに行かれてはいかがでしょうか。