かつてはヘルシー系オイルの代名詞のように商品名でもうたわれていた「リノール酸」。
しかし最近では過剰摂取はよくないことがわかってきました。
果たしてどんな人にもその効果は期待できるのでしょうか?
また同じようにオリーブオイルに代表される「オレイン酸」との違いはどこにあるのでしょうか?
リノール酸とは
リノール酸は植物油の主成分である脂肪酸のひとつで
ひまわり(サンフラワー)」油、くるみ、コーン油、大豆油などに多く含まれている
「多価不飽和脂肪酸」という部類に入ります。
絶対に体に必要な脂肪酸ですが、体内ではつくることができないため食品からとらなければならない「必須脂肪酸」と言われる栄養成分の一つです。
リノール酸はひまわり(サフラワー)油など一般家庭でよく利用される食用油や多くの食品に含まれているため、普段の食生活であればまず不足することは無いと言われています。
リノール酸の適量は「日本人の食事摂取基準」(2010年版)によると
1日9g前後(オメガ6脂肪酸全体)と言われていているため
リノール酸については、実は不足するよりもむしろ過剰摂取が心配されています。
リノール酸の働き
- 悪玉コレステロールを下げる
- 中性脂肪値を下げる
- 高血圧や生活習慣病への予防効果
- 体のエネルギーの原料になる他、細胞や生理活性物質の材料となる
リノール酸をとくにおすすめしたい人は?
リノール酸にはこのようなメリットがあるので、
メタボ体質の方の傾向に多い、動物性脂肪などの肉やバターに代表される「飽和脂肪酸」をよくとるお肉大好きの人にとってはとくにおすすめのオイルです。
リノール酸を摂りすぎるとNGな人は?
いっぽう普段から肉類をあまり食べない人にとっては、リノール酸のとりすぎは逆効果にはたらくクセモノでもあります。
なぜならリノール酸には、総コレステロール値を下げてしまうという作用もあるからです。
オレイン酸との違い
オリーブオイルなどに多く含まれるオレイン酸は「悪玉コレステロール」を現象させる効果がありますが、
リノール酸の場合は摂りすぎることで悪玉ばかりではなく「善玉コレステロール」まで減少させてしまいます。
よって血管が固くなる動脈硬化などを引き起こしやすくなってしまうのです。
まとめ
リノール酸は適量であれば非常に健康に良いのですが、摂取しすぎると逆に体に逆効果になってしまうため、摂りすぎには特に注意したいオイルの一つ。
現代の食品はリノール酸がもともと含まれるものが多いため、リノール酸は全体的に過剰摂取傾向にあります。
なんといっても油は油。
脂肪酸の種類を意識して、その特徴を生かした上手な使い分けをしていきたいものですね。