これから夏のレジャーの季節がやってきます。
山や川でアウトドアを楽しむ人も増えますね。
しかし暑いからと言って、肌を出したまま草むらに入ると虫に噛まれるという思わぬ落とし穴も…!
その中でも最近よく聞くツツガムシ。
ダニの一種ですが、そこから感染する病気をツツガムシ病と言います。
普通に家にいるダニと何がちがうでしょうか。
ダニによる感染症とはいったいどのようなものがあるのでしょうか。
- 初期症状の特徴
- 感染しやすい時期
- 安全のための予防策
- マダニとどう違う?
など紹介したいと思います。
もくじ
ツツガムシとは
ツツガムシは非常に小さなダニの一種。
日本には120種類以上のツツガムシが生息していますが、このうち「病原体」を持ち、人に吸着する性質をもっている有害なものは、
- アカツツガムシ
- タテツツガムシ
- フトゲツツガムシ
の3種が主でごく一部です。
- 成虫の大きさは約0.2mm

引用:秋田県公式サイト秋田ネット
肉眼では見分けるには困難なダニです。
草木の多い場所などに広く生息しています。
別名[殺人ダニ]と言われる理由
ツツガムシは、人間の皮膚に噛みつくと消化液を出し、皮膚を溶かしてしまいます。

引用:アース製薬HP
その消化液には病原体となる細菌が混じっていて、これが血管に侵入して全身に増殖し、
最終的には内臓が侵されて多臓器不全となり、最悪死に至ってしまうこともあるため、
別名「殺人ダニ」という恐ろしい異名をもっています。
なぜ気が付きにくい?初期症状と潜伏期間
ツツガムシは、噛まれても傷跡が最初はわかりにくく
- 発熱
- 全身のだるさ
- 筋肉痛
といった症状が風邪の初期症状と似ている為、市販の風邪薬を飲んで様子をみる人がほとんどです。
潜伏期間が7日~14日間ということもあり、症状が急激に悪化したころには手遅れになってしまう状況があるからです。
潜伏期が終わると39℃以上の高熱とともに発症し、皮膚には特徴的なダニの刺し口(かさぶた)がみられ、血管から全身に増殖していきます。

引用:国立感染症研究所
ですから、最初は風邪かと思っていても
- 発熱が長く続く
- 刺し口、発疹がある
- 発熱の前に山や川へ行った
などがあればツツガムシ病の可能性を疑ってすぐに医療機関(皮膚科)で受診することが重要です。
ツツガムシの生息地と発生時期
ツツガムシの多くは、日本全国の北海道の一部地域を除き、土の表面や枯葉の表面に生息しています。

引用:産経新聞-2017年7月24日配信分より-
感染しやすい時期は、ダニの活動する
- 春〜初夏
- 秋〜初冬
の2つの時期で、去年の平成28年は500人もの感染報告があります。
ダニに咬まれないための予防と対策
ツツガムシに噛まれてから細菌が体に侵入するまでおよそ10時間といわれています。
ですから、感染の確立を減らすために最初の予防ケアが最も大切です。
【行動や服装ポイント】
- 山や川の近くでは、ダニの吸着を防ぐような服装(長袖、長ズボン)をして素肌をださない
- 服や靴の素材は、白っぽい色で滑りやすい素材を選ぶと吸着したダニが発見しやすく、また吸着しにくくなります
- 首にかけるタオルや脱いだ上着は直接地面に置いたりしない
- 服などにダニが吸着している可能性があるのため車や自宅に入る前に服をはたく
- 草むらに入った日は帰宅したら、すぐに体を洗い流す
- 特に内またやわきの下、下腹部と皮膚が柔らかい部分は、念入りに洗う
- 着た服もすぐに洗濯する
【虫よけスプレー】
- 虫よけスプレーを使う。(特にえ【ディート】や【イカリジン】という成分が含まれる虫よけ剤が有効的です。詳しくはこちら↓
ダニの感染症&マダニとの違い
ダニによる感染症は、ツツガムシ類だけでなくマダニ類に咬まれることでも知られています。
マダニはツツガムシより大きく、種類によりますが体長は約2.0mm~3.0mm、
肉眼で確認できる大きさです。

引用:日本皮膚科学会
左から、未吸血・吸血後幼虫、未吸血・吸血後若虫、未吸血・吸血後成虫
特にマダニは吸血すると、自分のからだの大きさの100倍以上までパンパンに膨れ上がり、体長は15mm~20mmくらまでになります。
ダニ媒介の感染症
先ほどご紹介した「感染症の患者数データ」のように、ダニ媒介による感染症にはいくつかありますが、広く知られているものに次の3種類があります。
日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)
主に西日本で多く発生事例が確認されています。
病原体 | 日本紅斑熱リケッチア |
媒介ダニ | マダニ類 |
症状 | 高熱と、赤色で米粒大の発疹など |
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
病原体 | SFTSウイルス |
媒介ダニ | マダニ類 |
症状 | 発熱と食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状があり、重症化すると死亡する例も |
ツツガムシ病
北海道等の一部地域を除き全国的にみられます。
病原体 | つつが虫病リケッチア |
媒介ダニ | ツツガムシ類 |
症状 | 発熱、発疹、リンパ節の腫れなど、重症化すると死亡する例も |
ダニにはいろんな種類がある
マダニ類やツツガムシ類は、主に草木の多い場所に生息しているいわば「屋外のダニ」。
「ダニ」といっても沢山種類があり、
- 食品等に発生する「コナダニ」
- 衣類や寝具に発生する「ヒョウヒダニ」
など肉眼では確認できないほど小さな「屋内のダニ」とは種類が異なります。
まとめ
ダニによる感染症についていくつかご紹介しました。
外に遊びに行くときは色んなリスクがありますが、まさかダニによる死亡例もあるとは少しショックでした。
最近はヒアリなど、虫による被害が多く聞かれます。
しかし、予防と対策をを心掛けていれば未然に防げることも沢山あると思います。
野原や山などに遊びに行く際には、屋外にいるダニ(マダニ、ツツガムシ)にかまれないように気をつけて、安全で楽しくおすごしくださいね。
屋外ダニ「マダニ」については、合わせてこちらもお読みいただくと役立ちます↓
ライターからお礼とお願い
今日も読んでいただきありがとうございました(≧▽≦)
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