今年は特に流行しているといわれる手足口病。
名前のとおり主な症状は
「手」
「足」
「口」
に主な症状である水疱ができることです。
しかし、この部位以外の全身に出ることがあり、多いのは
「お尻」
「肘」
「膝」
などの関節の周りと言われていますが、
目の周りにも発症することがあるのでしょうか?
それはもしかしたら、皮膚の水ぶくれである「水疱(すいほう)」という症状に共通した違う感染症かもしれません。
今回は
- 手足口病に目の症状は関係あるのか
- 目が痛い・目の充血や目やにがでたりする原因は?
- ウイルスと症状の関係
など確認したいと思います。
もくじ
手足口病の原因ウイルスとは?
感染症の原因となるもの、それはいわずもがな、私たちの体に知らず知らずのうちに入り込む「ウイルス」達の存在ですね。
実は手足口病の原因となるウイルスは、複数あるため治っても何度も感染する可能性があります。
「インフルエンザウイルス」
「ノロウイルス」
などは有名ですが
手足口病は具体的に
「コクサッキーウイルス」
と言われる種類のウイルス感染症です。
関連 手足口病ウイルスはなぜ強力?ウイルス構造を見てみよう!
エンテロウイルス感染症
手足口病を『原因ウイルス』という視点でみてみましょう。
先ほどの「エンテロウイルス」は主に小児期にさまざまな感染症を引き起こします。
夏期に多いので「夏かぜ」の病原といわれますが、夏だけ流行するものではなく年間を通してみられます。
その代表的なものが
-
- 手足口病
- ヘルパンギーナ
- 咽頭結膜熱(プール熱)
です。
手足口病
手、足、口、特に手のひら、足の裏に皮膚の水ぶくれである「水疱」という特徴的な発疹ができます。

引用:NHK WEB-手足口病が大流行のおそれ-
口は軽い発疹から、痛みの強い潰瘍(かいよう)のような口内炎ができることもあります。
ときに微熱程度の熱が出ることもあり、大人も発症します。
ヘルパンギーナ
突然の高熱で始まり、ときに40度近く発熱することもあります。
翌日熱が下がっても、のどの奥に潰瘍や口内炎ができ、のどが痛く、食事ができなくなる状態です。
手足口病のように、通常「手」や「足」には水疱や潰瘍は見られません。
無菌性髄膜炎
頭痛・嘔吐などの症状、ときに意識障害を引き起こし死亡するケースもあります。
その他
エンテロウイルス感染症は、ほかに
- 全身に発疹ができる発疹症
- 下痢嘔吐を伴う急性胃腸炎
- 出血性結膜炎(目の白いところが出血して赤くなる出血性結膜炎)
という症状を引き起こします。
目の異常はウイルスによるもの
このように、手足口病という病気自体に目の症状があるわけではなく、手足口病を引き起こす原因ウイルスの一つである
「エンテロウイルス」
が
「結膜炎」
と称される目の症状をだすのです。
エンテロウイルスの強い感染力
ウイルスには様々種類があり、体に現れる症状もさまざまでした。
そして主に手足口病の原因といわれる
「コクサッキーウイルス」
と言われる種類のウイルスは、インフルエンザウイルスなどと違って強い感染力を持つのも特徴的です。
ウイルスを構造で分けてみる
ウイルスはその構造から
- エンベロープの有るもの(エンベロープウイルス)
- エンベロープの無いもの(ノンエンベロープウイルス)
とに分けられます。
膜のある左側の“エンベロープウイルス“は、アルコール消毒剤を使うことで、膜を破壊し中のウイルスそのものにダメージを与えることができます。
一方、右側の“ノンエンベロープウイルス”は膜を持たないため、そもそもウイルスそのものにダメージを与えることができません。
アルコール消毒剤を選ぶポイント
手足口病のウイルスはノンエンベロープウイルスに属するため、予防としてアルコール消毒剤を購入する際は
という種類を選ぶのがポイントです。
市販のものは何を選べばいいのか、他の具体的な予防方法など詳しくはこちらの記事もお役に立ちます↓
水疱が目の周りにあるのはどんな症状?
手足口病のような水疱が発症していて、
- 目やに
- 目が痛い
- 腫れる
という症状が現れるものに、エンテロウイルス以外には他にどのようなものがあるのでしょうか。
ヘルペス性結膜炎
子供に多い事例として
- 水疱が目の周辺のみに発症
- 目が痛くて腫れる
の症状を併せ持つ場合に何が考えられるかというと、それはヘルペス性結膜炎かもしれません。
ウイルス性結膜炎の一種であり、「単純ヘルペスウイルス」に感染して発症する結膜炎を言います。
水ぼうそう・はしか
水ぼうそう・はしかともに、
- 全身に水疱が発生
- 目や口にも出る
ことから、手足口病との見分けが必要となります。
家庭内感染を防ぐための工夫
手足口病は子供だけでなく大人がかかる事もあますので、特に家庭では防ぐための工夫が必要になります。
- 手洗い
- うがい
- タオルを共有しない
- 水疱に触らないようにする
など少しの工夫である程度は防げますので注意が必要です。
まとめ
手足口病で「目やに」が増えたというのは、本来、直接的な症状ではありません。
手足口病に見られる主な症状「水疱」が出たとしても、
- 目が痛い・かゆい
- 目の充血
- 目やにが出る
- 目の腫れ
が出るという症状がある場合は、
- 結膜炎
- 水ぼうそう
- はしか
の可能性もあります。
手足口病事態は、基本的に数日から1週間程度で症状は自然に改善するものなので、
- 頭痛
- 吐き気
- 高熱が続く
などの症状がある場合は、水ぶくれが治まったとしても稀にエンテロウイルスによる髄膜炎を併発している場合がありますので、
いずれも素人判断をせず医療機関で診てもらいましょう。
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