夏から秋にかけて流行する感染症はいくつかありますが、手足口病もその一つ。
とてもうつりやすい病気のため、特に園や学校など、子供が多く集まるところは一気に流行してしまうこともあります。
ご家庭では特に、感染したお子さんから大人も感染やすく、
大人は子供より
- 高熱が続く
- 痒みが強い
など重症化するケースも。
感染を広げないためにも日頃の予防と対策は欠かせません。
- 他の子へ感染させてしまう可能性のある期間
- 園や学校にはいつから行かせて良いのか
- うつらない、うつさないための予防は
などまとめました。
もくじ
手足口病の潜伏期間と症状
手足口病は、ウイルスに感染してから
潜伏期間は約3~6日、
発症すると、3人に1人は微熱が出て、手や足や口に「水疱」や「発疹」という水ぶくれができ、かゆみも伴います。

引用:NHK WEB-手足口病が大流行のおそれ-
通常であればかさぶたは残らず、
完治する目安は約3~10日
ほどかけて、段々消えて完治します。
気をつけたいのは症状完治後
注意したいのは、症状が治まった後でも
喉から1~2週間、便からは3~5週間
の期間は、ウイルスが体から排出されつづけるといわれていますので、
その期間も人への感染力は残っています。
手足口病を人にうつす期間
手足口病ウイルスの潜伏期間に、他の人に感染することは無いとは言い切れません。
一般的には、解熱後24時間ほど経過すればウイルス量は少なくなると言われていますが、
先ほどお話ししたように、症状が完治した後も感染者の便からは、約1ヶ月は少量のウイルスが排泄するため安心はできないのです。
手足口病の感染経路
手足口病の感染経路はどのようなものがあるのでしょうか。
飛沫(ひまつ)感染
咳・くしゃみ、時には普通の会話中であっても、体に含まれるウイルスが周りに飛び散り、
口や鼻、目などの粘膜を通して感染します。
経口・接触感染
水疱にはウイルスがたくさん潜んでいます。
それが破れて出た内容物や、便と一緒にウイルスが排出します。
手などを介して口や鼻、目などの粘膜にウイルスが入るので、
お子さんと一緒にお風呂に入ったり、手当をする際には注意が必要です。
手足口病のウイルスは何度もうつる
手足口病の原因ウイルスは具体的に
「コクサッキーウイルス」
というウイルスで種類がいくつもあります。
そのため、一度感染して治っても免疫力が完全にはつかず、
何度も手足口病にかかってしまうこともあります。
手足口病うつる人・うつらない人の違いは?
ウイルスに感染する・うつるという現象。
特に家族や兄弟間、小学校など、同じ環境下・同じ食事をしていても、感染する人、しない人がいますね。
いわゆる
「身体が弱い人」
も
「身体が丈夫で強い人」
も、同じように病原体のウイルスは体内に侵入している状態ですが、
結果として症状に現れる・現れない人の違いは、
免疫力が強いかどうかにかかってきます。
感染しない人=免疫力がつよいから
「身体が丈夫で強い人」のほうは、もともと体に備わっている
免疫力・抵抗力
が強いため「外敵」が侵入しても、
「免疫細胞の働き」
によって跳ねのけるチカラがあります。結果として
感染しない・うつらない
ということになります。
そしてこのチカラは、食生活を中心に意識的に高めていくことが出来ます。
手足口病・子供の出席停止や登園は?
園や学校では、生徒や先生の健康と安全を守るために
「学校保健安全法」
という法律があります。
手足口病はその中で
「第三種・その他の感染症5類」
というものに分類されていて、特に出席停止期間などの規定はありません。
つまり、登校・登園していいか、出席停止扱いになるかどうかは
“医師に相談の上、学校単位で出席停止・学級閉鎖を決めて良い“
というものです。
目安の状態
登校可能な目安の状態としては次のように説明されています。
『(手足口病は)発熱や喉頭・口腔の水疱・潰瘍を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身状態が改善すれば登校可』
㈶日本学校保健会 -学校感染症・出席停止の基準‐ http://www.gakkohoken.jp/
事前に必要な提出書類の確認を
自治体や学校・保育所・幼稚園によっては、再登校する場合、
・「意見書」(医師が回復を証明するもの)
・「診断書」(病院が病名を証明するもの)
・「登園届け」(保護者が回復した状態を報告するもの)
などの提出を義務付けているところがありますので事前に確認が必要です。
保護者が書く「登園届け」の例
再登園する際に、保護者が提出することが望ましいとされている感染症と登園の目安例です。
『発熱や水疱などの影響がなく、普段の食事がとれる状態』
になれば、登園が出来る目安となります。

引用:厚生労働省「2012年改訂版保育所における感染症対策ガイドライン
感染した時の連絡は?
病院で診断されたら、まず保育園や学校に電話で
「手足口病と病院で診断されたので休みます」
と連絡を入れ、必要な提出書類はあるかどうかを確認しましょう。
先ほどお話ししたように、
「出席停止扱い」=欠席扱いにしないかどうか
は、保育園や学校単位で決定しているため、自分の判断だけでは決められないからです。
手足口病の潜伏期間中・症状回復後も感染しないために
手足口病は、
潜伏期間中~発病中~完治後
どの時点においても、
体からウイルスを排出し続けるため、予防対策は欠かせません。
感染しないためには、まず徹底した
- 手洗い
- うがい
- 消毒
などを欠かさないことです。
大切な手洗いを見直そう!
とくに接触感染対策にとって、最も重要で基本となる対策は「手洗い」などの手指衛生です。
- タオルの共用はしないために、ペーパータオルを使用する
- 石けんは保管時に不潔になりやすいため液体せっけんを使う
ということも推奨されています。
※正しい手洗いの方法(30 秒以上、流水で)
①液体石けんを泡立て、手のひらをよくこする
②手の甲を伸ばすようにこする
③指先、つめの間を念入りにこする
④両指を合体し、指の間を洗う
⑤親指を反対の手でにぎり、ねじり洗いをする
⑥手首も洗った後で、最後によくすすぎ、その後よく乾燥させる

厚生労働省「2012年改訂版保育所における感染症対策ガイドライン」より
まとめ
手足口病は感染力がとてもつよい感染症の一つです。
接触感染・飛沫感染などで
直接感染のリスクがいちばん高いのは発症してから2週間
と言われています。
しかし、排せつ物などには約1ヶ月程度、感染ウイルスが含まれると言われていますので油断はできません。
しかし、1か月間も学校などを休むことは難しいですので、マスクや手洗い・うがいを習慣にして、他の人にうつさないように、家族ぐるみで習慣にしていきたいものです。
日頃から[免疫力を高める食事]をし、強い体作りをしていきましょう。