あまり聞きなれないRSウイルス感染症。
実はとても身近で、生涯何度も感染と発症を繰り返しています。
ほとんどの場合、大人は
- 咳
- 発熱(38℃くらい)
などの風邪の症状のような軽症で済むため、感染したと気が付かないこともしばしば。
しかし、特に子供(乳幼児)は
- 気管支炎
- 肺炎
など重症化する恐れもあり、入院となることもあります。
- 検査方法はどんなものか
- 治療方法
について紹介したいと思います。
もくじ
赤ちゃんには特に気を付けたい感染症
RSウイルスに感染することで発症するRSウイルス感染症。
2歳児までにほぼ100%が感染する病気で、初感染の場合は約3割が呼吸困難などを起こして重症化すると言われています。
RSウイルスの強い感染力
このウイルスは感染力が強いため、集団生活で流行する可能性が上がり、家族間での感染も多いです。
潜伏期間は4日~6日と言われています。
通常感染力が強いとされているのは、発症してから3日~8日程度。
しかし乳幼児では、3~4週間も感染力が持続することもあります。
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風邪との見分け方
RSウイルス感染症は発熱、咳など風邪に非常に良く症状が似ています。
ですから、風邪と見分けるのは困難です。
数日たっても
- 咳が治らず酷くなってきた
- 呼吸が苦しそう
- ゼーゼーヒューヒューと呼吸音がする「喘鳴」
などの場合には、RSウイルスの可能性があるので、すぐに病院で検査が必要です。
簡易検査と血液検査
RSウイルスに感染しているか調べる検査には、
「簡易検査」
と
「血液検査」
があります。
現在主流となっているのが簡易検査で、インフルエンザの検査と同様、鼻水にウイルスが含まれているか調べます。
簡易検査は簡単にできて10分~20分ほどで検査結果もわかるため、多くの病院で取り入れられています。
簡易検査キットの一致率は、陽性が94.4%、陰性が100%で精度と言われ、全体では97%以上の割合で、RSウイルスに感染しているかどうかがわかります。
陽性反応が出た場合
簡易検査で陽性反応が出た場合、必要であれば血液検査や胸部レントゲンなどが行われます。
血液検査は詳しい状態を調べることはできますが、検査結果が出るのに2~3日ほど時間が必要です。
RSウイルス検査費用や保険適応
RSウイルス検査は保険が適応されておらず、検査をする場合は自費になります。
検査1回の自己負担額の相場は数千円(一万円以下)と言われています。
子供の検査費用
1歳未満の乳児の場合、または入院中の患者、パリビズマブ製剤の適用となる患者に対しては、2011年10月17日より保険が適用になっています。
また病院によっても異なりますが、小児科では3歳以下はすべて包括医療制度で、実質無料で検査ができるところもあるようです。
RSウイルス感染症の検査と診断
冬に乳幼児が鼻水、咳に続いて呼吸が「ゼーゼー」してきた場合、
その30〜40%もが、RSウイルス感染症によると言われています。
さらに、細気管支炎や肺炎が疑われる場合は、聴診と胸部X線で行います。
肺に空気がたまり気味になるので、肺が黒くうつります。
RSウイルス感染症の治療
RSウイルス感染症に効果のあるワクチンはなく、また治療薬も特殊なもので通常は使用されないため、多くの場合は症状を抑える対症療法が中心になります。
ただ、予防として「シナジス」という抗RSウイルスの特殊な抗体があり、秋から春にかけて、月1回の筋肉内注射を継続して行うことはあります。
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対症療法とは…
病気そのものを治す治療法ではなく、病気によって起きてしまった後の症状を和らげる治療法です
症状 | お薬 |
熱が高い時 | 「カロナール」などの解熱剤 |
ゼイゼイ、ヒューヒューと喘鳴をともなう場合 | 「去痰剤」や「気管支拡張剤」 |
細菌感染の可能性がある場合 | 抗生物質 |
などを服用します。
軽症の場合は、
- 水分補給
- 睡眠
- 栄養
- 保温
を中心にして安静にして経過をみることになります。
RSウイルス感染症で入院する場合
呼吸困難がある、水分がとれなくて脱水症状を起こしている、元気がなくてぐったりしている場合には、入院治療となることがあります。
入院すると、輸液や加湿された酸素投与で治癒します。
1週間程で退院することが多いようですが、さらに重症化したり合併症があったりすると入院期間が長くなります。
一旦RSウイルスによる細気管支炎を起こしてしまうと、長期間にわたって肺機能の異常を呈し、喘鳴を繰り返すことがあります。
喘息を起こしやすい人は特に、日頃の予防を心掛けなければいけませんね。
まとめ
RSウイルスは、とにかく予防が大切です。
「うがい、手洗い」を家族で習慣づけましょう。
また、単なる風邪と軽く考えず、咳が出る時はきちんとマスクを着用し、咳が長引けばRSウイルス感染症の疑いがあるので、病院で診てもらうことが大切です。
人に移さないようにすることも、徹底したいものですね。
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