秋から冬にかけては空気がだんだんと乾燥し、ウイルスなどが活動しやすく、風邪などの感染症も多く流行しますね。
病原体を跳ねのけられるような強い体を作るためには、
何といっても普段から体の免疫力を鍛えておく必要があります。
『免疫力を上げる飲み物』
をまとめました。
もくじ
免疫力を上げる条件とは?
[免疫を上げる食べ物]でもお話ししたように、免疫力を上げる条件は- 体温を上げる(冷やさない)もの
- 腸の環境を整えるもの
- 抗酸化力のあるもの
などを満たしていることがポイントになります。
体温と免疫の関係
“体温が1度下がると免疫力は30%落ちる”
といわれているほど、体温と免疫力は密接な関係があります。
自分の普段の体温=「平熱」
を上げるためには
- 身体を冷やすものを避ける
- 身体を温める食材・飲み物をとる
が大切ですので「冷たい飲み物」は免疫力を下げる原因になります。
特に女性に多いと言われる冷え性。
“冷えは万病のもと“と言われるように、免疫力にも大きくかかわってきます。
冷たい飲み物を避け・体を温めるものを飲む
水・炭酸系・お茶・アルコール類など飲み物にもさまざまありますが、
「温度を冷たくした状態で飲む」
を好む人は多いと思います。
温度によって体の負担や吸収が違う
冷たい飲み物は、一瞬とてもスッキリした気分になりますが、
実は体の内臓にとってはその都度大きな負担がかかり、体を冷やすことにつながります。
水の温度 | 目安 | 体への水分吸収速度 | 胃腸への負担 |
冷たい水(5℃~15℃) | 冷蔵庫で冷やした温度 | ○:速い | ×:大きい |
常温の水(20℃~35℃) | 蛇口から出てくる水温度 | △:ゆっくり | △:ほとんどない |
温かい水(60℃~80℃) | 自販機の温かい飲み物とほぼ同じ | ×:遅い | ○:無し |
冷たいもので一瞬体を冷やすくらい…と思うかもしれませんが、
毎日のように何回も冷たいものを飲む人と飲まない人では大きな差になっていきます。
せめて水やお茶は常温か温かいものに変えれば、それだけで免疫力が高まります。
体を温めるものを飲む
体を温める代表食材で、飲み物と相性がいいものと言えば
「生姜」
です。
すりおろして
- 紅茶
- お茶
- スープ
- 豆乳
- 甘酒
など何でもチョイ足しできるのもうれしいですね。
都度すりおろすのが面倒なときは、すりおろしたものを冷凍してストックしておいてもいいですし、便利なチューブタイプも売られています。
意外ともとの味の邪魔にならず、体を芯から温めて免疫力もアップします。
免疫力を上げる飲み物12選
免疫力を鍛えるための基本の飲み物は「植物性の飲み物」です。
- お茶
- 水
- 野菜
- 果物
などの自然由来のものが大前提です。
ですから砂糖や添加物たっぷりの
- コーラ
- ジュース
ではありません。
スポーツドリンクなどは水分補給や体力回復には適していますが、
糖分を多く含んでいるため、免疫力を鍛えるという目的ではあまり良い選択にはなりません。
キーワード①ポリフェノール
[免疫力は測定できる]でお話ししたように、免疫力というのは体の「免疫細胞」
がどれくらい活発に働いてくれてるかで決まります。
そして免疫細胞の大半を占めているのが血液の中にある白血球です。
免疫力を高めるには、白血球の働きを活性化することがポイントになりますが、
その役割をしてくれるのが
「ポリフェノール」
という成分です。
ポリフェノールが多い=免疫力アップの飲み物
強い抗酸化作用をもつポリフェノール。ポリフェノールとはカンタンにいえば、
のこと。
植物が強い太陽の光から自分の身を守るために生成されるものですから、
人間がそれを摂取することは、体を丈夫にし、体の酸化を防ぐことに繋がります。
ポリフェノールは5000種類以上もあるとされていますが、
・ブルーベリー・ブドウの皮の「アントシアニン」
・ワインやお茶の「カテキン」
・大豆製品の「イソフラボン」
などが代表的なもので、これらを総称してポリフェノールと呼んでいます。
お茶
ポリフェノールの「カテキン」が多いお茶としては
- 緑茶
- 紅茶
- ルイボスティー
などが有名です。
中でも緑茶には特に多く含まれていて、免疫力を上げるためには
1日約1グラム
が適量のカテキンとされています。
これは、だいたい4,5杯ほどの緑茶を飲めば1日に必要なカテキンを摂取できます。
また、カテキンには殺菌効果もあるため、ウイルスなどを体に侵入するのを防いでくれます。
“緑茶うがい“は医学的にも効果のある風邪対策として知られています。
ココア
ココアはポリフェノールだけでなく、腸内の善玉菌などを増やす作用でお腹の調子を整えてくれます。
- 腸は第2の脳
- 免疫力の7割は腸にある
と言われるほど大切な部分で、腸内環境を整える事こそが、免疫力アップの最大の近道です。
ワイン
ワインに含まれているポリフェノールは有名ですね。
特にポリフェノールは白ワインより赤ワインに多く含まれています。
ホットワインにすればアルコールも少し抑えられて体も冷やさず効果的です。
お酒ですのでもちろん飲みすぎはNG、一日グラス2杯くらいまでが適量です。
また、寝る前のアルコールはすぐ眠れますが、睡眠の質が落ちて浅い眠りになってしまうので、飲む時間帯や量には気を付けましょう。
豆乳
ポリフェノールの一つ、大豆にはイソフラボンというポリフェノールが多く含まれます。
ですから大豆加工品である豆乳も免疫力を鍛えてくれます。
食品安全委員会の「2006年大豆イソフラボンを含む特定保険用食品の安全性評価の基本的な考え方」によれば、大豆イソフラボンの1日の摂取目安量は、
70~75mg
が望ましいとされています。
- 納豆だけなら(1パック45g) 2パックで=約71mg
- 豆腐だけなら 1丁まるごと300gで=約80mg
- 豆乳だけなら(1パック200g) 2パックで=約82mg
- きな粉だけなら(大さじ1で6g) 大さじ8杯で=約77mg
- みそ(味噌汁)一杯なら(1杯20g)=約6mg
大豆製品は普段から多く日本人は摂っているので摂りすぎには注意が必要です。
関連 イソフラボンの摂りすぎはNG!男性はおっぱいが大きくなる?
キーワード②抗酸化力のあるもの
ポリフェノールに続いて、免疫力を上げるもう一つのキーワードは
「カロテノイド」
です。
一言で言うと、ポリフェノールと同じく
のこと。
自然界に存在するさまざまな色「赤・オレンジ・黄・緑・紫」などの天然色素のことです。

引用:わかさ生活
しばしば野菜は
- 緑黄色野菜
- 淡色野菜
と2つに分けられますが、カロテノイドは緑黄色野菜の方に多く含まれていて、全体的にビタミン・ミネラルなどの栄養価も高く抗酸化作用が強いのが特徴です。
青汁・スムージー・野菜ジュース
これらの緑黄色野菜や果物でつくる
- 青汁
- スムージー
- 野菜ジュース
なども免疫力アップに役立ちます。
ただし市販のものは、加工される時点で熱を加えることで栄養素が壊れていることも多く、
味を整えるために添加物も沢山含まれているため、飲み過ぎには注意が必要です。
酵素ドリンク
酵素というのは、その働きによって
- 消化酵素
- 代謝酵素
- 食物酵素
などに分類されますが、一言でいうと
があるもので、腸内環境や免疫力とも深くかかわっています。
野菜や果物、発酵食品に多く含まれています。
現代人は野菜不足の上に、お肉類など[消化に負担がかかるもの]を多く食べる人が増えてしまっているため、同時に慢性的な酵素不足と言われています。
また酵素は熱に弱いという性質もあるため、調理法によってもその量は激減してしまいます。
生野菜やフルーツを毎日たっぷり食べるのは難しいという方は酵素ドリンクで補うことも一つかもしれません。
酵素ドリンクはたくさん市販されていますが、中には添加物などがたくさん含まれていてジュースと変わりないものもあるので注意が必要です。
甘酒
甘酒は日本生まれの発酵食品の一つで「飲む点滴」とも言われます。
お米を米麹で発酵させる過程で、お米のでんぷんがブドウ糖に分解されることで、独特の自然な甘みが出ます。
など、とにかく栄養が豊富で、体への吸収力も優れまさにスーパードリンク。
- 美容効果
- ダイエット効果
- 疲労回復
- 熱中症対策
- 風邪予防&免疫力アップ
など一年中飲みたい飲み物です。
生姜を入れると体を温めるだけでなく、味もより一層美味しくいただけます。
水
やはり飲み物の基本は「水」。
体の60%~70%は水で出来ていますので、体のもと・血液のもとになるものです。

引用:環境省熱中症環境保健マニュアル2014
どれだけ栄養価の高いものを摂取したとしても、ドロドロの血液では、
・体の老廃物をキレイに取り除くことが出来ない
など、体のすみずみまで栄養をうまく届けることが出来ず、結果疲労がたまってどんどん免疫力は下がってしまいます。
個人差はありますが、
一日1.2ℓ~1.5ℓ程度の水分補給量
が理想とされています。
もちろん、キンキンに冷やした水ではなく常温以上で飲むようにしましょう。
まとめ
免疫力を上げ、ウイルスなどを体に取り入れないようにするためには、
体の粘膜そのものを強化してくれる
- ビタミン(A・Cなど)
- ミネラル(亜鉛など)
- 発酵食品
などの栄養素や食品も大変有効です。
そういった意味でも野菜や果物などはに積極的に取り入れたいものです。
- 野菜・果物・お茶など植物由来の抗酸化作用のあるもの
- 胃腸の調子を整えるもの
- 冷たくないもの
- 体を温めるもの
などを意識しながら[免疫力を上げる食べ物]を基本として、ウイルスに負けない強い体を作りましょう!