最近、適度に塩分を含む飲み物が「熱中症対策飲料」という名目で多く出回っていて、
子供から大人までこうしたものを飲む機会も多いと思います。
今回は、
- 熱中症対策飲料の条件
- 水、お茶、牛乳などの飲むべきタイミングと働きの違い
- 自分で作れるカンタン熱中症対策飲料レシピ
など、熱中症対策といわれている飲み物について、有効性を比較してみようと思います。
もくじ
熱中症のこわさ
まず熱中症とは何なのでしょうか。じつは症状によって3段階に分けられていて、対処方法も変わってきます。
- すぐに救急車を呼ばなければいけないのはどんな時なのか
- 応急処置の方法
- 引き起こしやすい3つの要因
などがありますので是非確認してみてください。
効果的な水分補給とは
熱中症予防対策の水分補給として、財)日本体育協会では
4~8%の糖質
を含んだ飲料を推奨しています。
スポーツドリンクは胃から腸に移動するスピードが速く、腸からの吸収も速いので、脱水状態からすぐに回復したいときなど即効性がメリットです。
その飲料[塩]と[糖]の成分は大丈夫?
一言で「塩分」「糖質」といってもその成分に注目してください。
- [塩分]は塩化ナトリウム(NaCl、いわゆる食塩の主成分)
- [糖分]はブドウ糖(グルコース)
をしっかりと適度に含有しているか確認しましょう。
体は、発汗などにより血液から失われる塩化ナトリウムを補給する必要があります。
さらに塩化ナトリウムの腸管への吸収を速やかに促すためには、ブドウ糖の力が必要だからです。
糖を含んだ飲料が推奨される理由としては、腸管での水分吸収を促進することが挙げられます。主要な糖であるブドウ糖は、腸管内でナトリウムが同時にあると速やかに吸収されます。そしてそれらに引っ張られ水分も吸収されるというのがそのメカニズムです。(大塚製薬-熱中症から体を守ろう-)

引用:大塚製薬-熱中症から体を守ろう!効率的な水分補給-
塩分はナトリウム、糖分はブドウ糖の理由
また、熱中症に関してメディアに多数ご出演の教授はこう説明されています。
高血圧への配慮からか、塩化ナトリウムの含有量を下げて、代わりに塩化カリウムを入れているものもあります。また、メタボへの配慮からか、 ブドウ糖の代わりに果糖(フルクトース)を入れたり、中には糖質を全く含まない飲料も見られます。熱中症対策で大切なことは塩化ナトリウムとブドウ糖をしっかりと補給することなのに、これでは本末転倒になってしまいます。(Jミルク「牛乳による熱中対策の有効性2014年版」監修:能勢博教授)
関連 市販のスポーツドリンク5つの成分比較!一番有効なのはどれ?
お茶や水、スポーツドリンクを飲むタイミングは
水分補給をしたいとき、普通の水やお茶を飲むことも多いと思います。
スポーツドリンクを飲むべきタイミングとの境目はどこにあるのでしょうか?
目安は体重の2%
財)日本体育協会によると
体重の減少が2%以内の場合であれば、お茶でも問題ないと考えています。2%を超えるような激しい発汗が予測されるような場合には、できればスポーツドリンクなどを利用するほうが好ましいと言えます。
とのこと。体重が50㎏の人は1000ml、1㎏ですね。
また、水やお茶はのどの渇きや不快感はすぐ癒してくれますが、飲むときは下記のことに注意が必要です。
水だけをとる場合の注意点
水だけの大幅な摂り過ぎが原因でおこる症状で
- 「低ナトリウム血症」
- 「水中毒」
といわれるものがあります。
これは、水だけを摂ることで血液中のナトリウム濃度が低下(薄まる)状態で、
- だるさ
- 意識障害
- けいれん
などを引き起こします。
特に市民マラソンやトライアスロンで起こりやすく
- 4時間以上の運動
- 体重が軽い人
- 女性がなりやすい
のような方は特に注意が必要とされています。
お茶だけをとる場合の注意点
緑茶、ウーロン茶など、カフェインを含むお茶は利尿作用があり、かえって血液量を減らすことになってしまうので、熱中症に対する有効性はあまり期待できません。
お茶ではノンカフェインの「麦茶」などが最も最適です。
牛乳を飲む場合の注意点
牛乳は、ノドの渇きを癒す即効性を期待するものではなく、ややきつい運動の後に飲むことで、血液量を増やし筋肉の増加を促すことで、熱中症予防につながります。
スポーツドリンクとの大きな違いは乳タンパク質を含んでいることです。
【牛乳が有効の紹介記事はこちら】
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熱中症予防ドリンクの手作りレシピ
最初に確認した熱中症対策予防としては
4~8%の糖質
が適切でした。これは自分でも簡単につくれます。
(熱中症予防の水分補給として)…自分で調製するには
1リットルの水、ティースプーン半分の食塩(2g)
角砂糖を好みに応じて数個溶かしてつくることもできます。(大塚製薬ホームページより)
経口補水液(OS-1)とは
もし、熱中症にかかってしまった場合は、スポーツドリンクよりも経口補水液が適しています。
スポーツドリンクは
あくまで発汗時の即効の水分補給という役割に対して、
手作りOSドリンクの作り方
経口補水液がない場合も多いですよね。
NHKの『あさイチ』で紹介されていた経口補水液の作り方をご紹介します。
塩・・・3g(小1/2)
砂糖・・・40g(大4と1/2)
以上をペットボトルなどに入れて、よく振ったら出来上がり(^^♪
とってもカンタンです。
飲みにくい場合は
- レモンの搾り汁
- グレープフルーツ果汁
などを適量加えて調整して下さい。
まとめ
熱中症対策飲料といっても[塩]と[糖]の成分をしっかり確認したいですね。
また熱中症対策飲料は、手軽に家庭にあるもので作れるので、ちょっとした外出にも持っていけると思います。
水分補給と言っても、逆効果にならないようにしっかり予防対策をしていきましょう♪