水中毒症状の種類や原因とは?致死量や判断基準、統合失調症との関係も

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水中毒

「水中毒」とはあまり聞きなれない言葉かもしれません。

水中毒とは

水を大量に飲むことで、体内の血液が薄まってしまう「低ナトリウム血症」の状態

になることを言います。

「ナトリウム(Na)」とは、いわゆる「塩分」のことですが、日本人はむしろ塩分の摂りすぎと言われているため、普段の生活をしていて水中毒になることはまずありません。

では一体どのような場合に、なぜ水中毒になるのでしょう?

  • 「ナトリウム」とは何か
  • 血液が薄まるとなぜ危険?
  • 水中毒になりやすい人

などを確認していきたいと思います。

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水中毒の原因

水中毒の原因は、簡単に一言でいうと「体の血液(体液)が水で薄まるから」です。

水分量

引用:環境省・熱中症環境保健マニュアル2014

人間の体の約60%は水分でできているので、

「大量の汗をかいたとき」

「大量の嘔吐もしくは下痢をしたとき」

など、本能的に水分を補おうとしますね。

プラスマイナス電解質イメージ
この時に、塩分を補わず「水だけ」を急にたくさん入れてしまうと、

体内のプラス・マイナスのイオン(電解質)のバランスが崩れてしまうからです。

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なぜ水分補給は水だけではダメなのか

汗や涙を舐めたとき「しょっぱい」と感じたことはありませんか?

私たちの体液には「塩分」=ナトリウムが含まれているからです。

ナトリウム(Na)は、人間の生命維持に必要不可欠な「五大栄養素」の

  • 炭水化物(糖質)
  • 脂質
  • タンパク質
  • ビタミン
  • ミネラル

「ミネラル」に属する栄養素の一つで

の中で体にもっとも大切な栄養素です。

たくさんの体液が失われるとそれだけ塩分も失ってしまうため、汗を多くかく場合などには「水だけ」ではなく、同時に塩分も補給しないといけません。

ナトリウム濃度が低下するのが水中毒

人間の血液中には、生命維持のために一定濃度のナトリウムが必要とされています。

通常は、腎臓が体に送り出すナトリウムの量を調節してくれいています。

しかし、急に大量の水を飲んでしまうことでその調節ができなくなり、

体のナトリウム(塩分)の濃度が大きく変化することでさまざまな問題が生じます。

関連 塩の摂りすぎでおこる食塩中毒とは?

水中毒(低ナトリウム血症)が引き起こす病気

日常生活では、

1日に水を1.5~2.0リットル

を摂るくらいが理想的とされています。

しかし、水を摂りすぎることで体内や細胞内の水分が増えると、
肺、脳、心臓、筋肉など、からだ中で「むくみ=浮腫(ふしゅ)」が生じます。

  • 軽い疲労感

からはじまり

  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 意識がもうろうとする精神障害

をきたし、ひどい場合は

  • 肺浮腫
  • 脳浮腫
  • 心不全
  • 痙攣(けいれん)
  • 昏睡

を経て死に至ることもあります。

国内や海外でも死亡事故例

水中毒が起こりがちな死亡例としては、

マラソン選手などが激しい運動で発汗した際、

水分補給に水だけを摂ってしまい死亡した例が多く報告されています。

またアメリカでは、無理な「水飲みコンテスト」の参加者が死亡した事故が起きています。

このときは一度に7リットルの水を飲んだそうです。

セルフチェック!水中毒の症状

水中毒が疑われる人は次のような傾向があります。

トイレの回数が増える

水中毒で最初に現れる症状は「多尿・頻尿」です。

体内に水分が多すぎると感知した身体機能が、バランスを保とうとして、余分な水を排出します。

人によっては、「おねしょ」や「尿失禁」も症状としてあらわれる場合があるようです。

血尿がでる

水中毒は筋肉細胞まで壊してしまうこともあります。

筋肉の細胞が壊れると「横紋筋融解症おうもんきんゆうかいしょう」といわれる症状となり、結果

  • 手足の脱力感
  • しびれ
  • 筋肉痛

を感じることがあります。

筋肉の「ミオグロビン」という成分が血中に溶け出すと、

おしっこで体外に排泄されていきます。

ミオグロビンは赤いことから、尿が赤くなり、血尿のように見えることがあります。

行動がおかしくなる

水中毒により肺にむくみが生じる「脳浮腫」が起こると、

  • 食欲不振
  • 頭痛
  • ぼんやりして集中力が続かない
  • 身体がだるい
  • すぐに眠気が襲ってくる

というような状態になります。

悪化すると、吐き気や嘔吐、錯乱、幻聴が起こり、人格が変わったようになってしまいます。

病院に行くなど然るべき処置をせずに放置してしまうと痙攣を起こし、最終的には脳浮腫が原因で、呼吸など生命を維持するための機能すら破たんしてしまい、死に至ってしまいます。

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水中毒の診断は病院で

水中毒であるか疑わしい時は、まず病院(内科など)を受診して血液検査でナトリウム濃度を確認する必要になります。

このように、血液中のナトリウムが急激に低下してしまうと、意識消失や呼吸障害など、命に関わる症状が出るので、継続的にたくさんの水を飲んでいるときに様子がおかしい場合は、特に注意が必要です。

水中毒になりやすい人・症状の種類

水中毒に陥りやすい人の傾向をいくつか見てみましょう。

ダイエットや食事制限に水がいいと思っている人

近年、食事代わりに水を飲むことで空腹を紛らわせるダイエットが流行っています。

結果として、急激に大量の水を飲んでしまうことが水中毒に繋がります。

喉は乾いていないのに、ことあるごとに水を飲んでしまったり、飲むのを抑えられなかったりする場合は、

「心因性多飲症」

と言って、心のトラブルから多飲症を引き起こしている場合もあります。

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禁煙や禁酒代わりと思っている人

タバコやアルコールなどを絶つ時には、口寂しさを紛らわすため、飴やガムを口に入れるのと同じ感覚で、喉の渇きが無くても水を大量に飲むようになってしまうことがあります。

水を飲むだけなら大丈夫だろう、という誤った認識をしてしまうためです。

統合失調症との関係

水中毒は、精神的な病とも深く関係があることが知られています。

理由は、抗精神病薬の副作用などで、過剰なのどの渇きが抑えられない状態になるからです。

普通の精神状態の人であれば、いくら喉が渇いても中毒症状を起こすまで水を飲み続けたりはしません。

しかし、精神科外来などに通院している方は、この症状を知らない場合もあり、喉が渇くという強迫観念で飲み続けてしまうのです。

飲水量は自分でコントロールを

先ほどもお伝えした通り、成人の一日の適量飲水量は

1日に水を1.5~2.0リットル

と言われています。

とにかく、“自分の欲求に反して無理矢理に水分をとらないこと”が一番です。

水の飲み方

水分摂取の際はゆっくりと、一気にがぶ飲みするのではなく、少しずつ飲むのがよい飲み方です。

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トイレ回数

成人の膀胱は大体250ml程度で尿意を催してきますので、

摂取する水分量から考えると一日に6~7回お手洗いに行くのが平均的といえます。

あまりにもトイレに行く回数が少ない方は、逆に水が体内に溜まってうまく排出できていない状態が考えられます。

逆に異常にトイレに行く回数が多かったり、一回の量が多い場合は飲みすぎていないか確認しましょう。

水分補給時の注意点

体内のナトリウム濃度が下がることで引きおこる「水中毒」。

とくに、激しい汗をかいたり下痢をしたりした場合、水だけを摂取すると体内のナトリウム濃度が下がってしまいます。

また、塩分を効率よく吸収させる場合には糖分も必要です。腸で吸収される際に、ナトリウムとともにブドウ糖があると効率よく吸収できます。

市販されている「スポーツドリンク」といわれるものには、甘さを抑えるために「ブドウ糖」の代わりに「果糖」を使っていることもあり、特に熱中症対策には適さないものもあります。

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まとめ

たかが水で…と思っていては危険な水中毒についてご紹介いたしました。

過剰に食塩を摂ってしまうことで引き起こす「食塩中毒」というのもありますが、

今回の「水中毒」は逆に塩が不足し水を多量に摂ることで引き起こすので、いかに

  • 「体の水分量」
  • 「塩分濃度」

が生命維持に重要なのかが分かります。

何事も適量やタイミング・上限があるのは言わずもがな、ですね。

まずは、ご自身と周りの大切な方の身を守るためにも、水や塩の摂りすぎになっていないか、どちらも合わせてチェックしてみてください。

↓こちらは「食塩中毒」について書いています。最近小さなお子さんが亡くなってしまう痛ましい事例に胸を痛め、少しでも塩の大切さを知ってほしいという思いで書きました。ぜひ一緒に参考にしてみてくださいね。

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