秋はみんなで山へ紅葉狩りやハイキングだけでなく、
「釣り」など海や沖でできるアウトドアも楽しみの一つですね。
特に手軽にできるサビキ釣りなどは人気です。
しかし、そこには危険な毒を持つ魚もいるため、知らぬうちに引き上げてしまう危険性も。
とくに子供は好奇心をもって触ってしまうこともあるので要注意です。
よく釣れる魚でどんな種類がいるのか調べてみました。
ハオコゼ
防波堤で釣れる毒魚の定番です。タオルは簡単に貫通するので、無理につかまないこと。
体色は白、赤、黒、褐色など、鮮やかな地図状に入り交じった保護色。
口が大きく、食欲旺盛のため意外と大き目の釣り針にもかかってしまいます。
刺されてしまったら、毒は熱めのお湯につけると痛みが減らすことができます。
別名・和名 | 葉鰧、葉虎魚 |
学名 | Paracentropogon rubripinnis |
属性 | カサゴ目ハコオゼ科 |
成魚の大きさ | 10~12cm程度 |
主な生息地 | 本州以南の日本各地・浅い岩礁や潮間帯 |
毒のあるところ | 背ビレや胸ビレのトゲ |
刺されるとどうなる? | 丸一日ほど腫れて鈍痛が続く |
ハコオゼと間違いやすい魚
色や格好からカサゴ(アラカブ)と勘違いしがちです。
カサゴとは違い背びれが頭部の上まであり、かつ長く伸びているのが特徴です。
▼カサゴ(カサゴ目フサカサゴ科)

引用:ウィキペディア
ゴンズイ
夜釣りでよく釣れる毒魚。ナマズの仲間で、茶褐色や黒い体に、鮮やかな黄色のストライプが縦にあり、口にはヒゲをはやしています。
毒は死んでも失われないので、知らずに踏んでしまうことに注意!
毒の成分はタンパク質のため、60℃以上の高温で毒成分は分解されます。万一刺されたら、やけどしない程度の熱湯(50℃程度)に患部を浸すと、毒成分が不活性化し痛みが和らぎます。
別名・和名 | 権瑞 |
学名 | Plotosus japonicus |
属性 | ナマズ目ゴンズイ科 |
成魚の大きさ | 体長10cm~20cm |
主な生息地 | 全国の浅場の岩礁や防波堤付近・集団で固まって行動する |
毒のあるところ | 背ビレや胸ビレに毒トゲ |
刺されるとどうなる? | しばらくジンジン痛む |
アイゴ
こちらもサビキでよく釣れる毒魚。針を外す際には十分注意が必要です。
肉が生臭いとされていますが、毒のある棘さえ除いてしっかりと調理すれば歯ごたえのある白身魚として、刺身や煮つけなどで西日本では特に食されています。
魚が死んでも毒性は消えないので、万一刺した場合は、40~60℃のやけどしない程度の湯に患部を浸すと、毒素のタンパク質が不活性化して痛みが軽減します。
別名・和名 | 藍子 ・阿乙呉 |
英名 | Siganus fuscescens |
属性 | スズキ目・アイゴ科 |
成魚の大きさ | 成魚は全長30cmほど・体は木の葉のように左右に平たい |
主な生息地 | 西太平洋の暖海域に生息する沿岸性の海水魚 |
毒のあるところ | 背びれ・腹びれ・臀(しり)びれ |
刺されるとどうなる? | 数時間から数週間痛む |
ヒョウモンダコ
船だまりにいたり、波止でも良く釣れるヒョウモンダコには要注意です。
興奮すると青い輪状の模様が現れます。
唾液腺にフグと同じ猛毒テトロドトキシンを含んでいるので、絶対にさわってはいけません。噛まれると呼吸困難に至ります。
別名・和名 | 豹紋蛸 |
英名 | Hapalochlaena fasciata |
属性 | マダコ科ヒョウモンダコ属 |
成魚の大きさ | 体長は10cmほどの小型 |
主な生息地 | 浅い海の岩礁など、九州地方が多いが、近年は大阪や浜名湖あたりでも捕獲されている |
毒のあるところ | 唾液に猛毒のテトロドトキシンを含む |
刺されるとどうなる? | 呼吸困難を引き起こし、酸素不足から心停止に至ることも |
アカエイ
アカエイは、投げ釣りやルアー釣りで釣れることがよくあります。
魚体が大きいので、毒の量も多く、刺されると重症化することも。
死んでいても尾には要注意です。とくに海水浴などで、砂地にいるエイを踏んでしまうケースがあるため、立て看板などの情報は必ず確認を。
別名・和名 | 赤鱏・赤鱝 |
英名 | Dasyatis akajei |
属性 | トビエイ目アカエイ科 |
成魚の大きさ | 細長い尾を含めた全長は最大で1~2m |
主な生息地 | 日本全国の浅い海の砂泥底に生息 |
毒のあるところ | 尻尾の付け根あたりに強力な毒バリがある |
刺されるとどうなる? | 刺されると激痛に襲われます。数週間も痛みが続いたり、アレルギー体質の人はアナフィラキシーショックにより死亡することもあるため、刺された場合は毒を絞り、患部を水または湯で洗い流し、すぐに病院で治療を受けてください |
クサフグ
どんな仕掛けでも食いついて、釣り糸を噛みちぎってしまうクサフグ。
フグ毒を持っているので、専門の調理師免許をもっている人でない限り、調理して食べてはいけません。
別名・和名 | 草河豚 |
英名 | Takifugu niphobles |
属性 | フグ目フグ科 |
成魚の大きさ | 体長は10-25cm程度 |
主な生息地 | 日本全国。浅い岩礁・砂地などに多く生息、5-8月にかけて大群で押し寄せ岸で産卵する。 時には真水の流域で釣れることもあり、アユの友釣りに掛かることがある |
毒のあるところ | 内臓や皮部分にテトロドトキシン(フグ毒)が含まれる |
まとめ
よく釣れたり見かけるもので、特に毒魚といわれている種類をいくつか紹介しました。
紹介した
- ゴンズイ
- ハオコゼ
- アイゴ
の毒はタンパク毒なので、ある程度熱で分解することができます。
万が一刺された場合には火傷しない程度のお湯に患部をつければ痛みはだいぶ緩和するはず。
知らない魚や、見間違いそうな魚を釣り上げてしまったときは、自己判断で触ろうとせず、
詳しそうな周りのベテラン釣り人に尋ねてみてください。
アドバイスをもらえば、楽しいコミュニケーションも生まれそうですね。
魚専用のグリップを持っていくと、毒のある魚への安全な対処もできるので便利です。
これらの「毒魚」たちは、釣れても歓迎されないため、防波堤に放置されていることも多いですが、死んでいても毒は消えません。
誤って他の人が踏んでしまったり、子供が触ってしまう可能性があるので放置は絶対せず、
そのままそっと海に帰してあげるマナーは守って、楽しく安全な釣りを楽しんでくださいね。