・通勤・通学途中の電車のなかで、
・試験や大事な会議の直前に、
・旅行先など慣れない場所で…
急におなかが痛くなり慌ててトイレを探す、そしていつもトイレがそばにないと、
それだけで不安な気持ちになる…。
『IBS(過敏性腸症候群)』
は、
心のストレスが「腸」に過敏にあらわれてしまう症状です。
特に、働き盛りの若い世代に多いとされ
- 男性は下痢気味の傾向
- 女性は便秘気味の傾向
を繰り返すことが多いというのも特徴的です。
原因や対策法などあるのか調べてみました。
もくじ
過敏性腸症候群(IBS)とは
お腹の痛み&不快感に加え、下痢や便秘の便通異常が続く病気を
といいます。
血液検査や内視鏡検査でも特に異常がないにもかかわらず、
心のストレスが大きく関係することで症状が悪化することから
とされています。
過敏性腸症候群(IBS)の原因
過敏性腸症候群(IBS)の主な原因は、大腸・小腸を中心とした消化管運動の異常ですが、
原因はそれだけではありません。
ストレスなどの心理的要因・生活環境・職場環境・食生活の乱れ
など、単一要因ではなく、いくつかの要因が複合的に関与していることが多いようです。
過敏性腸症候群(IBS)の種類
過敏性腸症候群(IBS)は、便通の形状や状態によって次の4タイプに大別されています。
分類 | (略語)正式英名 | 特徴的な症状 |
便秘型IBS | (IBS-C) IBS with constipation | 硬くてコロコロした便 排便回数週3回以下 排便後も残便感がある 女性に多い |
下痢型IBS | (IBS-D) IBS with diarrhea | 泥状・水様性の便 急激な腹痛と便意をともなう1日3回以上 男性に多い |
混合型IBS | (IBS-M) Mixed IBS | 下痢型と便秘型を繰り返すタイプ |
分類不能型IBS | (IBS-U) Unsubtyped IBS | 3つの型どれにも分類できないタイプ |
日本消化器病学会-過敏性腸症候群(IBS)・便形状に基づくRome IV基準-資料参考
4つのタイプで共通してみられる症状
過敏性腸症候群(IBS)は、どの型の症状であっても共通した症状もあります。
- おならやゲップの頻発
- 激しい胃痛・腹痛
- 下腹部の痛みや不快感
- 腹鳴
- 膨満感
- 吐き気
さらに、胃腸以外では
- めまい
- 頭痛
- 動悸
- 肩こり
そして、自律神経失調症状として
- 不安感
- 落ち込み・イライラ
- 不眠
など精神症状まで及ぶことがあります。
[ガス型]という分類は存在しないがとても多い症状
おならやゲップが頻発に加え、お腹に空気が溜まってパンパンに張った感じがする
という症状がある方も多いため、しばしば
『過敏性腸症候群・ガス型』
と独立した症状で言われたりすることもありますが、
先ほどお話ししたように、正式には便通の形状や状態で大別されるため、
×『ガス型IBS』
という分類はもともと病名上ありません。
よく似た病気とは
またおならやゲップが頻発することから
がよく似た症状として、併発または混同されることもあります。
過敏性腸症候群(IBS)は若い女性に多い
過敏性腸症候群(IBS)は20~40歳代の若い世代に特に多く、
学業や就業など、生活の質を落としてしまう原因にもなっています。
ある調査では、日本人のおよそ7人に1人がIBSに当てはまるとも推定されています。

引用:http://ibsnet.jp/
世界的には日本を含めストレス社会の先進国に多く、いわゆる文明病として、近年重要視されてきている症状です。
どんな人が特になりやすい?
過敏性腸症候群の原因ははっきりとされてないですが、
「なりやすい人」
という傾向はあるようです。
・喜怒哀楽をうまく言葉で表現できない人
・失感情症・アレキシサイミア(alexithymia)=自らの感情を自覚・認知しにくい人
などが多いようです。
人は辛い時やストレスがたまった時は、
「もうしんどい!やってられない!」
という、怒りや悲しみを言葉や態度で表現し、
- 美味しいものを食べる
- 体を動かす
- 休みの日は趣味に没頭する
など、少なからずストレスを発散する方法や手段があるもの。
過敏性腸症候群(IBS)の人は、このようなことが出来ないため、
代わりに体が
“辛い!もう限界”
と悲鳴をあげることで『便通異常』という症状にあらわれてしまうのです。
下痢や便秘を繰り返す腸の病気は沢山ある
下痢や便秘をくりかえす腸の病気には、ほかにもたくさんあります。
特に見逃してはいけないのは
大腸がん
をはじめ、
炎症性のある腸疾患や腎泌尿器系、婦人科系などの疾患です。
急激な体重減少や血便がみられたり、就寝中に何度も排便のためにトイレに行きたくなったりする場合は、すぐに医師にご相談を。
それらを全て検査したうえで、炎症や潰瘍など特定疾患がないにもかかわらず、
下痢や便秘、腰痛などの便通異常が慢性的に持続する場合に
過敏性腸症候群(IBS)と診断されます。
過敏性腸症候群(IBS)の治療
過敏性腸症候群(IBS)の人は、精神的なストレス・生活の乱れが原因のことが多いので、
薬の治療の前に、これらの要因を解消することが先になります。
食べ過ぎや飲み過ぎ、そして脂肪分や刺激物の多い食事を避けます。
便通症状に合わせた食物繊維や乳酸菌食品を意識して食べることで、
症状が軽くなることもあります。
https://kenkokampo.com/eiyou/885/
過敏性腸症候群(IBS)の食事
便通異常の改善のためのキーワードといえば食物繊維。
食物繊維には主に
- 水に溶けない「不溶性食物繊維」
- 水に溶ける「水溶性食物繊維」
の2タイプがあります。

引用:くにちか内科クリニック
食物繊維は、淡色野菜より緑黄色野菜に特に豊富に含まれていて、
などが豊富な食材です。
https://kenkokampo.com/eiyou/1302/
食物繊維のうれしい働き
・便秘解消や大腸がん予防
・炭水化物や糖質の消化吸収を遅らせ血糖値を低下させる
・よく噛む必要があるので早食いや過食を防ぎ肥満を防止
・腸内細菌の善玉菌のエサになり腸内環境を整える
下痢型IBSの人は、水溶性食物繊維(みかん、こんにゃく、海藻など)を中心にを摂れば、
腸内環境を整えることで、便のスピードを適切になるように調整してくれます。
便秘型IBSの人は、不溶性・水溶性食物繊維どちらも積極的に必要です。
腸の動きが活発になり、排便をスムーズに促すことで便秘改善につながります。
2つのセンイ詳しくはこちらです↓
まとめ
一口でストレスがたまった状態を解決するといっても、
人によって原因や方法やさまざまありますが、
まずはストレスの原因を突き止めることが大切です。
自分の症状が、どういう状況や出来事であらわれるのかを意識的に探り、
その上で、避けられるストレスであればそれを取りのぞける方法を、
避けられないストレスであれば、出来るだけ自分が楽になる考え方や発散の仕方を探ります。
過敏性腸症候群(IBS)の人は、人よりも頑張り屋さんで真面目・自分にも厳しい性格の人が多いのが特徴です。
ですから
「ああ、自分は無理をして頑張りすぎてたんだな」
と自分を許してあげて、まずはフッと少し肩の力をぬいてみましょう。
無理をせず
『人は人、自分は自分のペース』
で歩みながら、
体からのSOSを真摯に受け止め、ちゃんと休める勇気を持てれば、
それだけでも十分な進歩なのです。
- 美味しい食事
- 適度な運動
- 生活環境を変える
などな良い習慣を取り入れて、まずは
“自分自身を大切にし、生活全体の質をあげる“
ことにフォーカスすれば、結果的に症状が軽くなるかもしれません。