川崎病の感染原因は遺伝・溶連菌・ダニウイルス・中国のカンジダ?論文・資料ある?

シェアする

スポンサーリンク

川崎病2

川崎病は0歳~4歳の子供に多く発生する

全身の血管が炎症を起こす病気

です。

発見から約50年たった今も、その原因はまだはっきり分かっておらず、

さまざまな分野で研究が続けられています。

川崎病の原因と言われているものは何があるのでしょうか。

  • 世界におけるkawasaki-disease
  • 原因と考えられている主な説
  • 感染経路は?

など紹介したいと思います。

スポンサーリンク

川崎病とは

川崎病は主に4歳以下の子供がかかる病気で、特に1歳前後の乳児に多い病気です。

ピークは毎年9月~11月に発症例が多く報告されています。

正式名称は

「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(MCLS)」

といって、1967年に川崎富作博士が発見したことから、その名前をとって名付けられたのが最初で、神奈川県の川崎公害とは無関係です。

男の子の方が女の子よりやや多くかかる傾向があり、欧米よりもアジア諸国に多くみられます。

全身の血管炎症をおこすことで、

  • 発疹
  • 発熱
  • 冠動脈

に異常をきたすなど、段階によって様々な症状をひきおこします。

病院

かかった子の数%が再発していることも分かっていて、

伝染病や感染症と断定はされていないものの、1~2%の確率で兄弟姉妹でかかることがあります。

治療が遅れて炎症で心臓の壁に瘤(こぶ)ができたために、死亡する事例もまれにあるため、

極端に恐れる病気ではありませんが、早期発見と適切な治療が必要となる病気です。

川崎病の入院期間の最短・費用は?完治後までの確立期間や運動はいつからOK?
4歳以下の小さい子供がよく発症する「川崎病」という病気があります。 これだけ医療が発達していても、未だ原因不明のため根本な治療...

世界における川崎病

川崎病は英語で

kawasaki-disease

と言われ、流行時期はそれぞれ国によって違いますが、

おもにアジア諸国の世界60か国以上の国や地域で発生しています。

川崎病

引用:厚生労働省 川崎病研究班改訂5版「川崎病について」

川崎病の増え続ける患者数

川崎病の全国調査は1970年に始まりました。

日本での患者数の年次推移に目を向けると、1990年代には毎年1万人以下であった患者数が2005年以降毎年1万人を超えています。

2011年 12,774人 (男7,406人 女5,368人)
2012年 13,917人 (男8,036人 女5,881人)
2013年 15,696人 (男9,044人 女6,652人)
2014年 15,979人 (男9,097人 女6,882人)

考えられるウイルス・細菌などの微生物とは

川崎病の引き金となる環境因子としては、これまでに30~40種類ものウイルスや細菌類が原因ではないかと指摘されてきました。

根拠としては、

  • 季節性があること(1979年・1982年・1986年などに大流行)
  • 流行時に患者が特定の地域に多いこと

などがあげられます。

関連 ウイルスと細菌のちがいは?スマホで菌が見える新商品も!

考えられている主なウイルスや細菌

厚生労働省・川崎病研究班改訂5版「川崎病について」の資料をもとにすると

細菌類 A群β溶連菌、緑色連鎖球菌、 黄色ブドウ球菌、エルシニア菌、腸内細菌 など
ウイルス類 ロタウイルス、RSウイルス、EBウイルス、 レトロウイルス、コロナウイルス、HHV-6、 アデノウイルスなど
真菌その他 リケッチア、カンジダ、マイコプラズマなど

などが主にあげられています。

関連 ウイルスの種類でえらぶアルコール消毒のコツとは

ダニから媒介されるウイルス説

このように、原因と考えられている微生物はさまざまあります。

その中でも、虫刺されに原因に多い「ダニ」には、リケッチア菌やその他ウイルスの病原体を保有する種類もあり、感染症を引き起こす原因になります。

しかし、いずれも可能性があるというだけで、原因と特定されているわけではありません。

関連 ダニが媒介する感染症の恐怖!マダニのSFTSとは

中国大陸からのカンジダ菌説

川崎病は年々増加傾向にあり、数年に1度大流行することから、気流や空気との関連性も指摘されています。

日本で多くの子供が川崎病と診断された2011年に、気流を調べると空気中に多く含まれる

「カビの一種であるカンジタ菌(Candida)」

が、中国大陸から運ばれてきているという説を元に研究が進められています。

ただこれも川崎病とカンジタ菌、気流の因果関係は明らかにされていません。

一番有力は溶連菌説?

溶連菌とは、正式には

「溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゆうきん)」

と呼ばれる細菌です。

これも子供に多く発症し、主に“のど”に感染して

  • 咽頭炎
  • 扁桃炎
  • 小さく紅い発疹を伴う猩紅熱(しょうこうねつ)

といった病気を引き起こします。

溶連菌に感染すると、以下のような症状があげられます。

  • 発熱
  • 発疹
  • いちご舌
  • 手足の皮が剥ける
  • 首のリンパ節の腫れ
  • 喉の腫れ

これに対して、川崎病の症状は以下の6つのうち5つが当てはまると川崎病と診断されます。

  • 発熱
  • 発疹
  • 唇の腫れ・出血、いちご舌
  • 手足の腫れ(その後手足の皮が剥ける)
  • 首のリンパ節の腫れ
  • 目の充血
川崎病 イチゴ舌

引用:日本川崎病学会(いちご舌)

川崎病 全身の発疹

引用:日本川崎病学会

これだけ症状が似ているため、小児科の医師でも溶連菌と川崎病の区別をつけるのが難しいことがわかります。

川崎病の原因は溶連菌であるという説は以前から言われていましたが、これも確証までには至っていません。

【写真&画像】川崎病の症状経過の順番・急性期&後遺症とは?大人になってもうつる(再発する)?
「川崎病」は4歳以下の小さなお子さんがかかることの多い病気の一つ。 これだけ医療が発達しているといわれる現代においても、患者数...

そのほかアレルギー反応説

川崎病患者の血液を調べたところ、血中のアレルギー抗体が急激に増えることが確認されています。

『アレルギー』というのは、アレルゲン(原因物質)が体内に入ったときに、体が過剰に防御反応をした状態を言います。

一般的には、アレルギー症状とは

  • アトピー性皮膚炎
  • ぜん息
  • 鼻炎
  • 結膜炎

などが挙げられます。

同様に、アレルギー反応が血管に起こり炎症を起こすことで、川崎病の原因となるのではと考えられています。

関連 川崎病の原因は合成洗剤と言われる理由

川崎病に関係あるアレルゲンとは

川崎病を引き起こすアレルゲンと考えられているのは

ダニをはじめ、農薬、水銀、抗生物質、合成洗剤、リケッチア、サンギス菌などがあります。

1979年には、実際にダニアレルギーの関与が考えられた川崎病症例が報告されています。

しかしいずれにしても、川崎病の原因と断定するものではありません。

遺伝や環境因子という説

川崎病はこのほかにも、遺伝や環境が関係しているとも考えられています。

根拠としては

  • 家族内での発生が多くみられる(川崎病患児がいると発症リスクは 約10倍・両親いずれかの川崎病既往がある患児は0.89%と率が高い)
  • アジア人に多い
  • 感染病と断定されていないが、兄弟姉妹でかかる率が高い

などが実際にあるからです。

遺伝子との関連の研究

遺伝子との関係は実際に研究結果も発表されています。

共同研究グループは、川崎病との連鎖の傾向がみられた12番染色体にある「ORAI1遺伝子」に着目し、関連解析を実施しました。

…その結果、ORAI1タンパク質を構成するアミノ酸の配列の変化に関わる遺伝子が、川崎病と関連することが分かりました。

この遺伝子は人種によって大きく異なり、最も頻度が高いのは日本人でした。

今後さらに解析を進め、ORAI1タンパク質のアミノ末端付近にある「まれな遺伝子多型(レアバリアント)」も川崎病と強く関連することを確認しました。

引用元:理化学研究所-[日本人に多い遺伝子多型が関与]~川崎病の発症に関わる「ORAI1遺伝子の多型」を発見~2016年1月21日発表より一部抜粋

これによると、日本人の遺伝子の一部が川崎病と強く関連しているということがわかります。

川崎病の感染経路

このように、川崎病は発生元がわからない原因不明の病気ですので、そもそも

感染する(人にうつる)病気なのか

さえ分かっていないのが現状です。

川崎病の発生原因に関しては、感染を契機として…発症および血管後遺症の感受性には遺伝的な関与が考えられる、という概要は示されているが、残念ながら明らかな発生要因は未だ明確ではありません。

-日本川崎病学会-[川崎病の病院研究概論]2016年12月発表より一部抜粋

まとめ

このように、川崎病は原因が特定できない難病ですので、根本的な治療はまだ確立されていません。

しかし、効果的な治療薬はありますので、早期発見し適切な診断をうけることで、重症化を防ぎ後遺症はほとんど残らないと言われています。

年々認知度も上がってきていて、適切に診断できる小児科医も増えたことが、患者数の増加につながっているという見方をしている研究者もいらっしゃいます。

極端に恐れることなく、少しでも疑問や質問があればしっかり医療機関の方に相談し、経過観察することが大切です。

川崎病を引き起こす真の原因は一体なんなのか…特定される日も近いかもしれませんね。

川崎病の原因物質は不明!予防接種・合成洗剤・ストレスの他は何がある?
約50年以上も前に、日本で初めて発見された川崎病。 kawasaki-diseaseとして世界共通の病名で呼ばれているこの病気...
スポンサーリンク&関連コンテンツ
スポンサーリンク
スポンサードリンク
スポンサードリンク

シェアする

フォローする

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます