“寝具“を意味する
「ベッド」と「ベット」
“報告“を意味する
「リポート」と「レポート」
外来語をカタカナ表記にするときは、
しばしばどっち表記か正しいのか迷う時はありますよね。
使い方や歴史など調べてみました。
ベッドとベット正しいのはどっち?
結論から言うと…
「ベッド」「ベット」は
実はどっちも正解です!

にゃんだってーー!!
[ベッド][ベット]語源や日本での歴史
「ベッド・ベット」はどちらも日本語で
「寝床・寝台」
などの意味ですね。
では「外来語」として入ってきたのはいつ頃なのでしょうか。
明治頃にドイツ語[Bett/ベット]の登場
最初に「外来語」として登場したのは、約100年前の明治頃。
(明治ごろ)日本に外来語としてこの語が入ってきた当時は「ベット」と呼ばれ、ドイツ語の[Bett]が由来。理由はドイツ医学由来の呼び名を使っていた医療現場を中心にベッドが納入されていたため 参考:ウィキペディア

もともとは『医療用のベット』という意味
その頃の一般庶民の寝床といえば
だったので、「ベット」を使う人は
- 病院や軍隊など特殊な環境のところ
- めちゃくちゃお金持ちの人
といった、ごく一部の限られた人だけだったようです。
戦後に英語[Bed/ベッド]が登場
最初は特殊な[Bett/ベット]でしたが、戦後はどんどん一般庶民の生活にも普及していきます。
敗戦後に大衆の生活の欧米化と歩調を合わせるように、英語教育の浸透した戦後世代からは「ベッド」と呼ぶ人も増えていった 参考:ウィキペディア
昭和30年台、双葉製作所(後のフランスベッド)が営業を展開。洋風住宅ブームも相まって、庶民へ普及していった 参考:ウィキペディア
[ベッド][ベット]どちらも正しい!
おなじ「寝台」という意味の外来語。
- 戦後、庶民の生活様式の欧米化
- 英語教育が普及
- 住宅メーカーのビジネス的戦略が浸透
などの理由があって、
ドイツ語(Bett)のベット
↓
英語の(Bed)のベッド
へと、言い方も自然に変わっていったようですね。
メーカー名は[ベッド]で統一?
先ほどお話ししたように、ベットがベッドへと言い方が普及した要因の一つに、
寝具メーカーの存在も大きく影響しています。
社名・団体名 | アルファベット表記 |
フランスベッド | FRANCEBED |
日本ベッド | NIHONBED |
パラマウントベッド | PARAMOUNT BED |
ドリームベッド | DREAMBED |
など、調べてみると
「ベッド」
を使用していることが多いようです。
ネット検索では?
Googleやyahoo!のネット検索機能は、
「ベッド」「ベット」の両方とも「寝台」という意味で認識していました。
ただし、
「ベット」で検索
↓
「ベッド」と置き換えられて出てくるのに対し、
「ベッド」で検索
↓
「ベット」で置き換えられることは見つけられませんでした。
ですので、やはり一般的には「ベッド」で浸透しているようです。
ベッド〇〇は言いにくい?
ベッドの後ろに何か単語が付くときは、
濁点の「ド」
という発音は日本人にとって言いづらいものがありますね。
・寝室を表す『ベッドルーム』
・都心から通勤する人の住宅地などを意味する『ベッドタウン』
など、表記は「ド」でも、言葉にすると「ト」で聞こえることが多いように思います。
英語以外から来たビックリ外来語
何気なく口にしている単語や、日本語だと思い込んで使っているコトバ。
とくにカタカナ表記だと
のように思いがちですね。
でも、英語以外の言語から取り入れられ日本語として定着したものは数多くあります。
【ボタン】…ポルトガル語の「botão」が由来。英語の「button」ではない。
【タバコ】…スペイン語やポルトガル語の「tabaco」
【瓦(かわら)】…完全に日本語だと思っていましたが、サンスクリット語(古代インド語)の「kapala」が語源
【お転婆】…男勝りな活発女子、オランダ語の「ontembaar」が語源って…マジですか!!
※いずれも諸説あります
まとめ
もともと日本語と英語は発音も文法も全く違うもの。
「近い音」としてカタカナで表現できても、完全に同じように文字で表現するというのは難しいものですね。
今回のベッドのように、時代の流れとともに、人の生活スタイルや生活環境の影響で
「同じモノ」であっても「由来の言葉」が変化していくこともあります。
なので、
ベットとベッド、どっちか白黒はっきりして!と言いたいところでしたが今回は
・どっちでもOK。でも「ベッド」で表記は統一されてる感はある
・実際発音するときは「ベット」という方がしっくりすることもある
という結論になりました!