冬の野菜&お鍋の代表といえば甘い白菜ですね。
漬物・サラダ・炒め物にも大活躍です。
そんな白菜ですが、
「切ったら葉や茎に黒い点々が!」
「これはカビ?虫食い?」
と言われて
「何だかわからない、気持ち悪いから返品したい」
という声があるそうで…調べたところ
とんでもなくモッタイナイことが判明。
さてその正体は?
白菜の黒い点々の正体は「ゴマ症」
結論から言うと、正式名称は
「ゴマ症」
といって、黒いつぶつぶの正体は「ポリフェノール」!
食べても全く問題ありません。
Q)白菜についている黒い斑点は何ですか?
A)「ゴマ症」といわれる生理障害によるものです。
「ゴマ症」は、白菜の葉の主脈(一般には‘茎’と呼ばれる白い軸の部分)に多数の黒い斑点が発生する現象です。
…結球(葉が巻いて丸い球状になること)開始の後期に発生し、外葉に近い葉ほど多く見られます。
カビや病気、傷みではありませんので、食べても問題はありません。
(野菜の配達パルシステム・よくある質問より抜粋)
ゴマ症の原因[生理障害]とは
ゴマ症とは、先ほどの引用文のように、主に白菜の白い部分に多数の黒い点々が発生します。

引用:生協コープこうべ
【生理障害とは?】
- 土壌成分や気温などの影響によって発生する
- 土壌成分の微量元素である窒素過多やホウ素が欠乏して発生する
つまり、
- 栄養過多
- 栄養不足
- 土壌環境
などが原因で、白菜がストレスを受けたことによって、細胞内にポリフェノールを蓄積。
蓄積されたポリフェノールは細胞壁を褐色に変えるため、白菜に黒い斑点となって現れます。
白菜もストレスとは…人間と同じように白菜も何かと「ご苦労様」な話です。
そもそもポリフェノールって?
ポリフェノールだから食べても問題ないということでしたが、
そもそもポリフェノールって何でしょうか。
カンタンにいえば、
のことです。
ポリフェノールは5000種類以上もあるとされていますが、
・ブルーベリー・ブドウの皮の「アントシアニン」
・ワインやお茶の「カテキン」
・大豆製品の「イソフラボン」
などが代表的なもので、これらを総称してポリフェノールと呼びます。
ポリフェノールの効果効能
ポリフェノールは、植物がいわば
「太陽から細胞を守るために合成されるもの」
ですので、強い高酸化力があり細胞の活性化などを助ける働きがあります。
人間が摂取することで
- 体内の抗酸化作用・老化防止
- 血圧降下
- 殺菌作用
- 抗ガン作用
などさまざまな効果効能が期待できるとされていて、
- 炭水化物
- 脂質
- タンパク質
- ビタミン
- ミネラル
の体に必要な「五大栄養素」といわれる次に大事な栄養素ともいわれています。
ですから「黒い斑点は美味しい証拠」とも言えるのです。
白菜の黒班病とは別物
白菜の葉が黒っぽくなるものに
「黒班病(こくはんびょう)」
というものもあります。
キャベツ、大根など含む、多くのアブラナ科作物の「葉」にでる代表的な病気で、
これは土壌に含まれる病原菌によるものです。
黒班病の症状
黒班病にかかった野菜は、
黒というよりも淡褐色の小斑点をつくり、それがだんだん大きくなります。
10mmの程の円形または不正形で中央が灰白色、周辺は緑灰色の病斑をつくります。
病斑の中央部は薄くなって破れやすく、そのまましおれて枯死することも。

引用:島根県 -白菜の黒班病-
通常このような状態の野菜は商品価値が低く、スーパーで出回ることはまずありません。
美味しい白菜の選び方3カ条
白菜の黒いつぶつぶはカビや虫でもない、むしろ体の細胞を守ってくれるポリフェノールという成分でした。
健康上には問題なしと分かっていても、美味しい食事にははやり見た目も大事ですよね。
もちろん気になるようでしたらその部分はそぎ落としても構いません。
美味しい白菜を選ぶコツは
・手に持ったときにずっしりと重い
・芯が葉全体の3分の1以下
・カットされて断面の真ん中が盛り上がっている白菜は、時間がたちすぎている証拠なので避ける
などポイントを押さえて選ぶと、甘く歯ごたえのある美味しい白菜が頂けます♪
まとめ
野菜も育つ環境によってストレスを受けるなんてちょっと驚きですね。
野菜や果物に多く含まれるポリフェノールは、私たちの体の健康維持や病気予防に効果を発揮してくれる大切な成分のひとつ。
色んな野菜をバランスよくとって、ありがたくいただきたいものです。