人間のからだは「気・血・水」の三つの要素で成り立っていると考えます。
「水」(津液)とは、全身を潤す、血液以外の体液を意味します。
たとえば、リンパ液や唾液、汗や尿、涙など、体内にあるさまざまな水分のことです。
内臓や肌や髪を潤して、関節の動きを滑らかにする働きがあります。
実際にもう少し詳しく自分のからだに当てはめて、養生ポイントを考えてみましょう。
「陰虚」(いんきょ)タイプ
からだに潤いが少ないので、乾燥状態が目立つタイプです。夜型の生活の人に多いです。
■主な特徴
体質 | 肌や髪の乾燥 便秘がち かすれ声や空咳 手足のほてりや寝汗
顔色がくすんで赤い |
原因 | 体を潤す作用の津液が不足しているため、体内に熱がこもりがちです |
性格や特徴 | 夜型生活の人に多く、血虚体質が発展してなる場合もあります
乾燥の症状が目立ちます |
行動の養生ポイント
陰に属する津液(水)を増やすには、陰の物質をつくりだす夜に
しっかり体を休めることがポイントです。徹夜や夜更かしをやめて早寝早起きを心掛け
生活リズムにメリハリをつけましょう。
過度な疲労やストレスは体を興奮させて余分な熱を作り出してしまいます。
食養生のポイント
余分な熱がこもっているので、体を冷やす効果のある寒性、涼性の食材を使ってクールダウン
を。夜はあっさりした食事で腹八分目をこころがけて。
余分な熱をとる | ごぼう セロリ きゅうり ミント 白菜 スイカ 柿 塩
緑茶 など |
津液(水)を増やす | アスパラガス オクラ トマト レモン みかん 牛乳 など |
避けたい食べ方 | アルコール、揚げ物、こってりした味付けのもの
またスパイシーな料理は体に熱がこもりがちです。 食べる量に注意しましょう |
「湿熱」(しつねつ)タイプ
食生活の乱れにより、流れが滞りドロドロした不要なものが体にたまりやすいタイプです。
■主な特徴
体質 | 口の中が粘つく 吹き出物が多い 吐き気、胸が苦しい
鼻水や目やにが多い 傷が治りにくい 軟便 |
原因 | 水(津液)が過剰に増えると体内で停滞し、湿と呼ばれる体に悪影響を及ぼす
物質に変化するため。その湿と過剰な熱が結びついたのが湿熱といわれます |
性格や特徴 | 暑がりで常に汗かき、がっちりとした体つきのぽっちゃり体系の人が多い
性格や陽気な人が多い 湿痰体質の人に熱がこもって変化しやすい |
行動の養生ポイント
運動で体の巡りをアップさせ、余分な湿と熱を発散しましょう。
仲間と楽しみながら汗を流せるようなスポーツを。
食養生のポイント
湿熱を引き起こす大きな原因は、主に食生活の乱れです。
お酒の席は、揚げ物やアルコールなど湿熱を生み出す食事ばかり。
お酒をお茶に変え、食事はあっさりとしたものを中心にを心掛けましょう。
湿を取り除く | きゅうり とうもろこし レタス 冬瓜 スイカ こんぶ のり など |
熱を鎮める | ズッキーニ なす セロリ ひじき シジミ など |
巡りを高める | だいこん ピーマン ゆず そば など |
避けたい食べ方 | 濃い味、辛い味、こってりしたもの、揚げ物、アルコール類は控えて
飲みすぎ食べすぎも熱を作り出す要因になります |